出発の様子はこちら
3月20日(木)19時
出発前の天気予報では、活動地である宮城県が雪の影響で停電、通行止めなども多数発生しているとの情報を受け、一同不安を抱えながらの出発となりました。
バスには里帰りを目的とした大阪への県外避難者16人とボランティア12人が同乗しました。小さなお子様を持つご家族の里帰りを少しでもサポート、また交流をしようと参加したボランティアは、元気いっぱいな子どもたちともすっかり仲良し。バス消灯時間のギリギリまで楽しい時間を過ごしました。高速道路のサービスエリアで、薄着にも関わらず雪で遊ぶ子どもたちに「寒くないの?」と質問したところ「普通」と冷静な回答…やっぱり寒さには強いんですねぇ(*_*)
3月21日(金)
郡山→福島→仙台それぞれの駅で、里帰り利用者といったんお別れをしたボランティアがまず向かった先は、宮城県にある気仙沼市社会福祉協議会です。ここでは、職員の吉田恵子主幹より、発災時の混乱の様子や、現在の支援活動などについて伺いました。
その後、向かったのが今回のべ2日間のボランティア活動の現場となる『旧新城小学校跡仮設住宅』です。40戸という仮設住宅としては比較的小規模な場所の集会所をお借りして、たこ焼きを一緒に作ったり、アロマハンドケアや子どもたちとの遊びを通じて交流を図るのが目的です。
早速、翌日の本番に向けたチラシ配りを一軒一軒丁寧に行いました。しかし訪問をしたこの時期はお彼岸の時期にあたり、各お宅を訪ねてみても不在が多く、ポストへのチラシ投函しかできなかったお宅が大半を占めていたのが現状です。そんな中でも明日、顔を出してくれるかもしれない仮設住宅の方々を想い、その日の準備活動を終えました。
旧新庄小学校跡仮設住宅 |
集会所 |
一軒一軒を訪ねました |
3月22日(土)
交流は11時スタート。せまる時間のなかで、みんなが準備や打合せを行っていると最初に集会所に来てくれたのは…
小さなお子さん4人組♪
早速たこ焼き作りにチャレンジです。
交流するにあたりみんなで確認をしあったことがあります。それは「ふるまい、提供」ではなく「一緒にやる、考える」ということでした。たこ焼き作りをしたことがない子どもたちは最初「できない」と敬遠がちだったのですが、ボランティアがうまくリードした結果、とても上手なたこ焼きを作れるまでになりました。
最後は驚きの手さばきでまんまるに♪ |
その後次々にやってくる住民の方にも、その子どもたちがたこ焼きを作ったり、大阪のゆる~い生地を実際に感じてもらいながら、大人の方々自らに作って食べてもらうことができました。一日でみんなで作ったたこ焼きの数はなんと約480個にもなりました。
「一緒にやる、考える」という活動にしただけで、0歳児の赤ちゃんを抱いたままハンドケアを受けてもらうことや、雪だるまを集会所前に作って目立つようにしようなどのアイデアも生まれました。
足の踏み場もなくなるほどの大盛況 |
赤ちゃんには動画を見せながら、片腕づつハンドケア |
完成した『ゆきだるさん』も今日一日頑張った仲間です★ |
活動終了後に行った話し合いの中での「しっかり交流できたことで、多くの話を聞けた」というボランティアの感想からも一人一人が何かを感じた機会になったのでは思います。
3月23日(日)
この日は約半日を使い、気仙沼市や陸前高田市の復興状況の見学及びそこに関わる方々のお話を伺いました。気仙沼復興協会所属の橋本崇(はしもとたかし)さんコーディネートのもと、その日オープンを迎えた被災した店主たちが新たに立ち上げた『未来商店街』をはじめ、『漁火パーク』『復幸マルシェ』を見学・担当者のお話を伺いました。昼食を兼ねて訪ねた気仙沼市唐桑地区にある漁火パークでは、眼下に広がる美しい水平線に目を奪われながらも、この地域で多くの命が失われた現実を知り、改めてその脅威と今後の復興を願いました。
気仙沼復興協会の橋本さん、ありがとうございました |
漁火パークからの景色 |
それぞれの集合場所で、束の間の里帰りを終えた避難者を「おかえり」と迎えるボランティアと、それに「ただいまー!!」と笑顔で答える避難者の関係は、ゆっくりでも積み重ねてきたこの里帰りバスの人と人との大切な距離だと感じています。
おかげさまで心配をしていた天候によるトラブルもありませんでした。今回のバス事業に関わっていただいたすべての皆さま、本当にありがとうございました。
次回の運行は未定ですが、参加者アンケートに込められた「また利用・参加したい」の言葉を形にできるよう努力していきたいと思います。(河崎)