社会福祉法人大阪市社会福祉協議会・大阪市ボランティア・市民活動センターのスタッフブログです。




2014年5月10日土曜日

小学校の英語教育の義務化に向けて ~小学校教員の英語教育力を伸ばす会~


 2020年といえば東京オリンピックが開催され、施設などの準備も始まっていますが、同年から小学校の56学年で英語が教科になります。現在、実施されているのは「英語活動」で音声を中心に外国語に慣れ親しむ活動で「教科」とは異なります。これに関連して文部科学省や教育委員会も準備を進めてしますが、教員自身も英語、英語教育に関する理解を深める努力が不可欠として、有志で「小学校教員の英語教育力を伸ばす会」が立ち上がり講座も426日に開講されました。


 開講から遡ること1ヶ月。代表の和田勝明さんから「小学校の英語教育の義務化に向けて、ボランティアをしたい」とのご相談を受けました。現在、センターの「COMVOネット」には1066団体(430日現在)の登録がありますが、日本語教室や各語学教育などのボランティア団体やNPO法人はあっても、今回のような小学校の英語教育の義務化に向けて活動を行っている団体は把握をしていませんでした。そこで和田さんの志や今までのキャリアをお聞きするうちに「誰もやっていないならば、必要不可欠と思った和田さんがなさってはいかがですか」とお勧めました。少し驚かれた様子でしたが、すぐに納得されて団体の立ち上げの話になり、和田さんの熱い志は設立趣意書と会則にこめられメールでのやり取りが続き26日目で実現の運びとなりました。
 
 

 団体の立ち上げには人・金・物・情報が必要ですが、人材は長年英語教育に携わってこられた和田さんをはじめ、教員仲間や教え子達が事務局を担当され会員制をとり、運営のノウハウは学会や勉強会での経験もあり、ネットワークも豊富で教鞭を執っておられた常磐会学園大学(平野区喜連東)からは場所が提供されました。
 
 
 
 426日(土)14時から始まった第1回目の講座では20代の先生が4人参加。冒頭に和田さんから「人にものを教えるとなると『1教えるのに100知っていなければない』英語の入門レベルではあるが、異言語を学ぶことで文化の違いを教えてほしい」とのご挨拶があり、早速第1回「冠詞と名詞、英文構成の基本」が始まりました。恐る恐る取材で参加した身ながらも私まで、例に出されたIlikedog.like dogs.like dog.の違いを明確に異文化理解の知識を織り込んで説明され、グングン引きこまれてしまいました。
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
以前、私がリサーチである人に「何故NPO法人を立ち上げたのですか」と尋ねたら、その人は「気づいたから」と明快な言葉で語られました。これは聴覚障がい者が飲食店を予約する際に、電話予約が殆どでFAXやメールでできないかとの話から障がい者と飲食店のコーディネートをする事業を始められた方の話です。和田さんも現場で英語を教えていく教員が多忙な中で悩んだり、高額な受講料を支払って英語を学ぼうする姿を見て、サポートする民間の機関がないことに「気づいて」立ち上げました。義務化まであと6年。この団体の活躍が大いに期待されます。

(文責:小野靖子)