社会福祉法人大阪市社会福祉協議会・大阪市ボランティア・市民活動センターのスタッフブログです。




2014年5月10日土曜日

企業社会貢献第3弾 ~施設ボランティア~関西ラーメン向上委員会


「明日からがんばろうー」「リセットできたわー」「バレーボールがんばる!」

「○―○○屋さんも大変やねー」「温かくて美味しい!」「塩もしょうゆもどっちも!」
 

これって何の感想と思われますか?これはラーメンを食べ終えた4歳~18歳の子どもたちの口から思わずこぼれた珠玉の言葉です。この日夕飯にとラーメンをご提供下さったのは関西ラーメン向上委員会(略称:カンラコ)。関西でも人気を誇るいわばラーメン界の“ドリームチーム”によるボランティア活動の一環でこの日は初めて活動でした。
 

 関西ラーメン向上委員会は咋年9月に「ラーメン、食の向上。子供たち、皆様へつなぐ笑顔」を理念にラーメン屋さんを営む経営者の皆さんが立ち上げました。当初は情報交換や交流会の場であったそうですが、メンバーの中から「何か社会貢献はできないか…ボランティアはできないか…」との意見が出て、メンバーのお一人森口さんがたまたまセンターの前を通りかかり「福祉」の文字を見て来所されました。会則や議事録を拝見し“ラーメンでの社会貢献の本気度”に痛く感心させられた私は、早速にラーメン提供の食数、メニュー、時期、対象先、準備などの具体的な条件を伺いました。その後メンバーはお店を運営しながらも月1回の会議で話し合い、ラーメン提供の骨格を提案していただき、センターは受け入れ先として社会福祉法人ヘレンケラー財団平和寮(福祉型障害児入所施設)にご相談をして快諾頂きました。


 そして4月に入って施設の下見と打ち合わせ、ボランティア保険の加入と準備を着々と進め、414日(月)入所児童40名、先生方を含めて約100食が準備されました。伺ったときは玄関まで子ども達の歓声が響き、食堂は「いらっしゃい!」「お待ちどうさま!」「塩?しょうゆ?どっち?」とまさにラーメン屋さんさながらで、子どもたちのラーメンを元気よくすする音、音、音…まずは4歳から低学年と食事介助の必要な子ども達の時間で、エプロンをつけて熱々のラーメンを先生に小さな器に取り分けてもらって、麺やチャーシューと格闘。「おいしい?」の質問には「おいしい」と何度も何度もうなずいてくれました。またこんな小さな体のどこに入るのかと思う女の子もお代わりし、これが高学年や中高生にもなると替え玉は当たり前、中には5杯もお代わりする猛者もいて、スープがなくなるほどの大盛況でした。


 

 ラーメンのスープは、本来各メンバーが個々に持参され事前に“味あわせ”を行うのですが、皆さん多忙のため、今回は「麺やマルショウ」の田部さんが、自然素材のみで作ったスープを持参、味に敏感な子どもたちはほとんどスープまで飲み干していました。

 会長である井川さんは「年に23回実施していきたいので、また施設を紹介してほしい」とお店のロゴである「WarmHeart」のT-シャツ姿でニコニコと語られ、「麺や拓」の森口さんは新店舗の準備で忙しい中駆けつけてくださいました。今回参加の8店舗12名は関西でも屈指の名店舗“関西ラーメン店のドリームチーム”。にもかかわらず控え目で、子ども達の食欲に圧倒されて、その様子を本当に楽しそうに眺めておられました。

ヘレンケラー財団平和寮のご担当の佐々木さんも冒頭の子ども達の発言に「どこであんな言葉を覚えたのか…。でも普段は集団調理で熱々の食事ができず、こんな美味しいラーメンを外食気分でいただけて本当に感謝しています。みんな朝から楽しみにしていたんですよ!」と感想を述べられました。
 

 今回のマッチング担当の当センタースタッフ・小野、市居はこの日、ラーメンはお預けとなり、翌日の昼食は迷わずセンターの近くにある井川会長のお店に並んでようやく“ホッ”とした次第です。ごちそうさんでした!(文責:小野靖子)