島野珈琲は1階が店舗、焙煎室、事務所、喫茶室。2階は珈琲教室になっており珈琲の香りが漂うなか「珈琲教室」が始まりました。珈琲を点てる前に座学で全日本コーヒー協会の冊子で珈琲の歴史や栽培、焙煎(ロースト)、配合(ブレンド)、挽く(グラインド)について学びました。
5年(100回)以上開催している「楽しい珈琲教室」も高校生だけの受講者は今回が初めてとの事、講師を務める代表取締役の島野渉さんは「どうなりますやら…」と話されていましたが、喫茶店のマスターのコスチュームで決め、珈琲豆をかたどった蝶ネクタイは女子からも「可愛い!」との反応があり上々の滑り出しになりました。講座では島野さんは珈琲を入れる→点てる、生豆→なままめ、と珈琲豆の選別同様の言葉にこだわり、「コーヒーの抽出方法のひとつにネル・ドリップ方式というのがあるけど君たちはネルの生地って知ってる?」「珈琲飲んだら胸がヤケルってわかる?」と確認したら意外にも「知ってるよ」「わかります」と声も出て、次は焙煎室で技術担当から焙煎機の説明を受けました。60kgの生豆の焙煎は、製品化過程でも重要で、生豆の香味を引き出すのも6割から7割は焙煎できまり温度管理などには細心の注意を払われているとのことです。生徒たちも焙煎度合いや品種により全く異なるコーヒーの香りなども体験しました。
次はいよいよ実践で島野さん自ら豆を挽き、ペーパー・ドリップ式で高価なブルーマウンテンを点てていただきました。テーブルには当社の大阪の旬(おおさかのあじ)のお菓子が並び珈琲の味を一層引き立ててくれました。さて、生徒の番では男子ばかり4人が点てましたが、島野さんからは「苦味がでている」「味が安定していない」「注ぐお湯が太い」「湯の温度のタイミングが大切」と鋭い指摘があり「珈琲はその人の性格が出ますよ、慎重すぎたり、せっかちやったり」と一口飲んだだけでこうも分かるのかと全員感心しました。生徒の中には毎日自宅で点てていて今回手ほどきを受けて「家族を連れてきたかった」とか、また初めてブラックで飲み苦戦する生徒もいて反応は様々でした。
最後に島野さんからは「大人になって珈琲好きになって、豊かな時間を持って下さい」とコメントがありました。現在、島野珈琲では高齢者施設へ「出前喫茶店」を行い遥か昔、喫茶店がハイカラな時代に全力で働いた人たちに、本物の味を提供して一番輝いていた頃を懐かしんでもらうお手伝いもされています。(文責:小野靖子)