社会福祉法人大阪市社会福祉協議会・大阪市ボランティア・市民活動センターのスタッフブログです。




2013年10月23日水曜日

【担い手養成プロジェクト第1弾】テーマは「淀川」~赤川鉄橋など、地域の魅力に触れるステキなプログラムでした♪(ミニレポート)

市内の社会福祉協議会が5ブロックに分かれ、ボランティア有志と一緒に5月から準備を進めていた【担い手養成プロジェクト】第1弾が秋晴れに恵まれた1013日(日)に実施されました。このプロジェクトは、講座の企画から運営までをボランティアと社協職員が共に行うことを通じて、新たなボランティア活動者(担い手)を発掘し、地域でのボランティア活動の活性化の契機となるよう実施しています。 

今回北ブロック(北、都島、福島、東淀川区)では各区を流れる『淀川』をテーマに、地域ならではホットな情報を持ち寄り3回に渡り企画会議を開き、2回現地下見を行いました。素材は①赤川鉄橋②平成わんど(湾処)。①は生活路として80年余り地域住民に親しまれて来た歩道部分が10月末に閉鎖されるため、隣を走る迫力ある貨物列車を見ながら歩き納めをします。②は川辺にある入江や淵で、わんどは明治時代に大阪から京都伏見まで蒸気船を通すのに安全上、水路を蛇行させるために、人工的に柴等を使い石で沈めて水の流れを穏やかにしました。やがてここに土砂がたまり魚が産卵する絶好の条件となり、淀川は国内でも魚の種類が豊富な川になりました。さて、地域の素材を活かした担い手の皆さんの企画はどうなったのでしょうか?
 
 

当日の参加者は32人。待ち合わせ場所は、正午に赤川鉄橋(正式名称:淀川橋梁(きょうりょう))を通過する貨物列車に合わせました。待つこと10数分。この間、閉鎖を惜しむ鉄道ファンやジョキングを楽しむ人、自転車でお買物と地域の生活道路としての橋の役割が垣間見えました。また、下は淀川、右岸左岸の景色も心地よく、参加者も一列になって列車の通過を今か今かと待ち望みました。
「ライトが見えた-」と子どもの声でおしゃべりも止み、轟音を立てながら数えきれない位の貨車を引き連れて先頭車両は、手が届くような距離で走り抜け「あっ」と云う間でした。
 
 


右岸(都島区)から左岸(東淀川区)に赤川鉄橋を渡り鉄橋の下で、改めて各社協スタッフからの挨拶と持参されたペットボトルのキャップ回収を行い、赤川鉄橋は平成30年にはJR新大阪⇔放出(はなてん)開業予定で複線化されるとの説明もありました。

次に淀川管内河川レンジャーの﨑谷久義さんより、10月は水辺に蜂やマムシがいることから本来清掃は草が枯れた2月にしますと言われつつも、全員ビニール袋と火バサミを受けとり、コスモスや葦や秋のキリンソウが風に揺れる中、上流に向かって心地よく清掃をしました。とはいえ、先の台風で大幅に川が増水してゴミも枯れ草もすっかり無くなっていましたが、ボランティアも参加者も熱心に草むらに入ってゴミを拾いゴミ袋2袋がいっぱいになりました。
 







  
上流に移動していよいよ『平成わんど』(前述)について、﨑谷さんから、その歴史的背景や淀川の生態系、環境保全について伺いました。「わんど」も外来種の植物や魚が人の手でもたらされ、生態系が変わる危機感を抱いておられました。実際に驚くほど大きなジャンボタニシの卵が産み付けられていました。しかし、絶滅が指摘された国の天然記念物イタセンパラ(タナゴの一種)が市民や行政や専門家の手によって繁殖が成功した「わんど」もあるとのお話に一同ホッとしました。


 

最後はこの7月に赤川鉄橋の歩道部分としてリニューアルした「菅原城北大橋」を旭区側に渡りました。美しいアーチ型で橋から望む数々の「わんど」も(城北、豊里、赤川等)釣り糸を垂れる人やお弁当を広げる人と長閑な秋晴れの光景に包まれていました。


 
東淀川区社協のボランティア自転車部隊は、赤川鉄橋からずっと参加者を見守りを続けてくださったほか、生後3カ月と参加最年少の女の赤ちゃんと7、8、9歳の3人のお兄ちゃんはいつしかボランティアの皆さんがバギーを押したり、手とつないだりと微笑ましい光景も見られました。4時間余りの短い時間でしたが、内容もメリハリがあって充実して、最後はペットボトルのキャップを手芸で可愛い雑貨にしたお土産をお渡しして橋と隣接するしょうぶ園で有名な城北公園で解散になりました。


 
参加して感じたのは、地域だからこそ地域の魅力ある素材を知っていること。そしてその輝いている面の見せ方を知っていることです。この魅力は今回ボランティアの皆さんの手によって「かたち」になり、私自身も参加者の一人として中味の濃いプログラムであったことを実感しました。(小野)